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企業経営基盤強化等セミナー「サイバーセキュリティの実情と今やるべきこと」開催報告
2023/05/08

    企業経営基盤強化等セミナー「サイバーセキュリティの実情と今やるべきこと」開催報告

 令和5年4月26日(水)、福岡市において「企業経営基盤強化等セミナー」を開催しましたので、その概要を報告致します。

   〇 日 時 : 令和5年4月26日(水)13:30 〜 15:00
   〇 会 場 : オリエンタルホテル福岡 博多ステーション 2階
   〇 テ−マ : サイバーセキュリティの実情と今やるべきこと
   〇 講 師 : 株式会社BCC クラウドサービス事業本部 
           クラウド営業部 部長 奥 新一郎 氏
   〇 参加者 : 51名(オンライン含む)
   〇 配布資料: サイバーセキュリティの実情と今やるべきこと

★概  要
 病院でのランサムウェア感染、自動車メーカーの全工場稼働停止、ウクライナ情勢に伴う世界的なサイバー攻撃の増加、メールを使ったEmotetの大流行などこれまでに類を見ないほどサイバー攻撃が激化している。運輸・海運業界は世界で2番目に多くのランサムウェアの影響を受けた業界であり、標的型攻撃の検出では首位になっている。
 主な感染理由は、ネットワーク機器などの脆弱性、リモートデスクトップ等の設定不備、フィッシングメール等によるものであることが説明されました。

 日本国内でもサイバー攻撃被害が出ており、機器の停止、流失したデータがダークウェブ上にアップされたケースなどがあった。東京都の製造業35社へのサイバー攻撃状況の推移を可視化した結果、東京五輪やロシアのウクライナ侵攻を機に急増しており、企業規模に関わらず国際的な社会情勢の影響を強く受けており、サイバー攻撃を他人ごとと済ませるのは危険であることが説明されました。

 このような状況から、国では中小企業のサイバーセキュリティリスクにどう対応するかが課題となっている。2019年度・2020年度、経済産業省主導で中小企業の被害実態等の把握や中小企業の支援機能を低コストで構築するため「サイバーセキュリティお助け隊実証事業」を行った。
 中小企業や業種、規模を問わず例外なくサイバー攻撃の危険に晒されているが、中小企業のセキュリティ対策が進まないのは人材・体制・資金面が原因となっていた。これを受けて、導入・運用の負担が少なく、安価なセキュリティ支援サービスとして、「見守り」「駆付け」「保険」をワンパッケジで提供する「サイバーセキュリティお助け隊サービス制度」が創設された。このサービス制度を提供する事業者として、現在全国で33社が登録されていることが説明されました。

 事業活動において、セキュリティ対策を怠り、マイナバーを含む従業員情報や取引先情報などが外部に漏洩した場合、金銭的損害賠償、社会的信用失墜、システム停止による業務停止等々、被害は計り知れない。これらを鑑みても情報セキュリティ対策は必須であり、さらに社内情報の持ち出しによる内部不正を防止するための社内ルール作りや教育も重要であることが説明されました。

 最後に、やみくもにセキュリティ対策することは非効率的であり、中小企業の情報セキュリティガイドラインを意識した対策を行う。「OAやソフトウェアは常に最新の状態にする」「「ウィルス対策ソフトを導入する」「パスワードを強化する」「共有設定を見直す」「脅威や攻撃の手口を知る」などの対策をまず行い、その後セキュリティ対策を行うこと。
 また、OSやソフトウェアの更新は業務のシステムが動かなくなるなど、様々な課題があるので、その場合は専門業者に相談してもらいたい、と締めくくりました。

 今回のセミナーでは、企業規模を問わず多くの事業者がサーバー攻撃の標的となり得ることや、セキュリティ対策を取ることの重要性を再認識できたと思います。





令和5年度 企業経営基盤強化等セミナー開催のご案内
2023/04/12

                    企業経営基盤強化等セミナー開催のご案内
                 〜サイバーセキュリティの実情と今やるべきこと〜


 現在、企業や組織の運営に情報システムやインターネットは欠かせないものとなりましたが、利便性と引換えに私達は大きな危険性を抱えることにもなりました。
 顧客情報の漏洩による企業イメージの失墜や情報システム停止による事業停止など、自社への影響とともに多くの場合、取引先や顧客など関係者への被害や影響を及ぼすことにもなります。
 企業や組織にとって、情報セキュリティに対するリスクマネジメントは、重要な経営課題のひとつとなります。また、顧客情報など重要情報の取り扱いは企業や組織にとって社会的責務ともいえます。
 本セミナーではサイバーセキュリティの現状や企業や組織として、今やるべきことなどを専門的な立場から解説していただきます。
 セキュリティ対策は十分なのか、担当者に任せっきりになっていないか、安価な対策はないか、対策は必要と思うがよくわからない等々、課題は様々だと思います。この機会に是非ご聴講いただき、疑問点などをお尋ねいただきたいと思います
 会場の都合等がございますので、参加の申し込みは4月21日(金)までに下記の要項でお申し込み下さい。

                       記

         〇日  時  令和5年4年26日(水) 13:30 〜 15:00(13:00開場)
         〇場  所  オリエンタルホテル福岡 博多ステーション 3階 
                 福岡市博多区博多駅中央街4−23 TEL 092−461−2091
         〇テ − マ  サイバーセキュリティの実情と今やるべきこと
         〇講 師   株式会社BCC クラウドサービス事業本部 
                  クラウド営業部 部長 奥 新 一 郎 氏
                  (サイバーセキュリティお助け隊サービス実施事業者)
         〇定  員  50名(参加無料)Zoomによるオンライン配信も併用します。

         〇参加申込  会場参加・オンライン参加共4月21日(金)まで
          ※会場参加をご希望の方はお電話をいただくか、または当センターホームページのお問合せ
           フォームにて、通信欄に「企業強化セミナー参加希望」と明記して、会社名・住所・電話
           番号・参加される方の役職名及びお名前を記入の上、お申込み下さい。
          ※オンラインでの視聴希望の方は、QRコードまたは下記のURLよりお申し込みください。
           後日、視聴用URLをメールにてご連絡します。
           なお、当日の質問の受付は会場参加者のみとさせていただきます。
           オンライン申し込み用 → https://forms.gle/EnYt9yPL1T1Jmizt7





企業経営基盤強化等セミナー 「輝け!フネージョin 九州」 開催報告
2023/04/12

          企業経営基盤強化等セミナー 「輝け!フネージョin 九州」 開催報告

 令和4年12月15日(木)、福岡市において企業経営基盤強化等セミナー「輝け!フネージョ in 九州」を開催しましたので、その概要を報告致します。

   〇 日  時 : 令和4年12月15日(木)14:00 〜 16:00
   〇 会 場 : オリエンタルホテル福岡 博多ステーション 3階「EBISU」
   〇 基調講話 :「海事産業における人材確保育成事業と女性活躍推進の取組について」
           国土交通省 九州運輸局 海事振興部長 金平 成市 氏
           「造船業における女性活躍推進の取り組み」
            国土交通省 海事局 船舶産業課 課長補佐 遠藤 幸 氏

   〇 座 談 会 :「入社の理由、職場環境、仕事のやりがい」など
           JR九州高速船株式会社 QUEEN BEETLE 一等航海士 中野 愛都季 氏
           マルエーフェリー株式会社 フェリー波之上 機関員 山口 璃莉 氏
           株式会社大島造船所 船殻工作部 技能職員 松田 彩芳 氏
           東亜工機株式会社 横田製造部 技能職員 大戝 美枝子 氏
           博多港運株式会社 車両チーム特殊車輛班 夏目 結花 氏

   〇 参 加 者 : 42名
   〇 配布資料 : 海事産業における人材確保育成事業と女性活躍推進の取組について
            造船業における女性活躍推進の取り組み

   〇 概  要

【基調講話】
 四方を海に囲まれた日本において、海事産業は極めて重要な分野で、これを支える優秀な人材が必要となる。しかし、海事産業は国民の目に触れる機会が少なく就職先の選択肢になりにくい状況で、次世代を担う子供や若者を中心に海洋・海事への理解と関心の喚起を行うことが重要である。さらに職業の選択肢として海事産業を捉えてもらうには「海事産業の理解と関心を深める段階」「進路段階」「就職段階」に応じた働きかけが効果的であり、九州では平成20年に官民で立ち上げた「九州海事産業次世代人材育成協議会」において取組みを行っていることが報告されました。
 船員の人材確保・育成に向けた動きでは、船員法の改正により令和4年4月から船員の負担軽減、労働時間の短縮など職場環境の改善を講じる仕組みが整えられ、令和5年4月から労働時間の上限規制の対象外である航海当直の引継ぎや操練を労働時間の対象とする改正が行われる予定となっていることが報告されました。
 海事産業への女性活躍の推進に向けた動きについて、働く女性の現状は就業を希望しながらも働いていない女性が約237万人、第1子出産を機に約5割の女性が離職、出産・育児後の再就職はパートタイムの場合が多く、女性雇用者の非正規率が6割近いなどの状況となっている。 また、急速な人口減少により将来の労働力不足が懸念されるため、企業において女性社員が能力を高めながら継続就業できる職場環境を整えることは、多岐にわたり大きなメリットがある。このように女性の個性と能力が十分に発揮できる社会を実現するため、女性活躍推進法が2016年(平成28年)4月から全面施行されて、女性活躍の推進力となっている。という説明がありました。
 最後に、造船業における女性活躍促進の取り組み、海事産業界での女性の雇用にあたっての取組状況として、国土交通省が公表している「海事産業における女性活躍推進の取組事例集」から、好事例の紹介がされました。

【座談会】
 海事産業で働く5名の女性の方に、入社の理由、職場環境、仕事のやりがいなどを語ってもらいました。

 入社の理由では、「幼少のころから海や船に触れる機会が多くあり、船へのあこがれがあった」、「地元が港町で小さいころから海事産業が身近にあった」、「以前から重機に興味がありクレーンなどを運転したいと思っていた」、「高校での溶接実習に興味を持った」、「モノを作る仕事に魅力を感じた」など、自分の体験や興味から現在の仕事を選んだ発言が多くありました。

 職場環境では、「力仕事では男性と差を感じるが、無理な仕事はサポートがある」、「男性が多い職場だがコミュニケーションもとりやすく、同僚や上司にも気軽に相談できる」、「仕事の相談も遠慮なくでき、丁寧にわかりやすく指導して貰える」、「上長や同年代に女性がいるので楽しく過ごせる」、「先輩から技術的な指導を十分してもらっている。しかし、レバー操作等の指導では、男性指導者からは手をとって教える時などは指導しづらいという事を聞いたことがある」、「女性を理由に気をつかって指導してもらえないのは困るので、男性と同じように指導してほしいと伝えている」など、関係者が働きやすい職場環境を作ることを心掛けているという発言がありました。

 仕事のやりがいでは、「一人でできる仕事が段々増えること」、「知識や技術を教えてもらい習得し、さらに良い方向にできないか試行錯誤する力がついた」、「いろいろな経験や必要な資格も取得でき楽しく仕事ができている」、「機械の操作がうまくできるようになっていく達成感、機械が自分の手にようになったような一体感が仕事が面白いと感じる」、「下船するお客様の笑顔や楽しそうな様子を見られた時には素直にうれしい」、「好きな物を造る仕事が続けられ、また、難しい技能検定に合格できたことにやりがいを感じている」など、仕事への情熱や達成感を感じながら働いているという発言がありました。

 女性が働く上で欠かせない職場の設備に関して、「女性用更衣室を作ってもらった」、「女性用の更衣室、シャワールーム、休憩用和室など完備、工場内に女性専用トイレも増設された」「職場にシャワーは無いが、近くに女性専用の寮があり不自由は感じていない」など、徐々にではあるものの職場設備の改善も進んでいるという発言がありました。

 女性が働き続けるための必要な制度に関して、「産休や育休の制度は充実しており、結婚や妊娠しても退職せずに陸上社員として働き続けられる」、「緊急時の代替要員の確保が難しく、出勤日の朝の子供の発熱時には苦慮することもある」、「働き続けるためには家族の協力が必要」など、各会社の休暇、産休や育休が充実してきていることを感じる発言も多くありました。

 座談会では、関係者が協力しながら働きやすい職場環境に変えている発言が聞かれ、 こうした環境変化が海事産業全体に広がっていくと、女性の海事関係への就業が進むと確信しました。
 
 今回の座談会の様子は、現地取材の映像も含め、YouTubeで配信し、海事産業の魅力を広く発信することとしています。


「輝け!フネージョ★ in 九州」〜海事産業の現場で活躍する女性たち〜
以下のURLにて配信中(YouTube 公式チャンネル「国土交通省九州運輸局」)
URL 【ダイジェスト】 https://youtu.be/YkICwWho0Is (約4分)
   【本 編】 https://youtu.be/M7Hl8vY0UB8 (約24 分)





上天草市の小学生を対象に海事産業見学会を行いました
2023/03/15

                上天草市の小学生を対象に海事産業見学会を行いました

 次世代を担う小学生を対象に、海事産業への理解と関心の増進のため、さらには、将来の職業の選択肢として海事産業を意識してもらうことを目的に、3月6日(月曜日)、当センターも参加する「九州海事産業次世代人材育成推進協議会」が見学会を実施しました。

 当日は、上天草市立阿村小学校の5年生11名と先生が参加しました。天草から八代までは船で渡り(乗船体験も兼ねる)、八代市内にある海事関係施設を見学したり、関係者の話を聞いたりし、密度の濃い1日を過ごしました。

【見学・体験等の施設場所】
 〇乗船体験:合津港〜八代港
 〇造船所見学:熊本ドック(株)
 〇出前講座:熊本県海運組合
 〇コンテナ荷役見学:八代港コンテナターミナル
 〇船外機製造工場見学:ヤマハ熊本プロダクツ(株)





令和4年度懸賞論文受賞者を決定(報告)
2023/03/14

                  令和4年度懸賞論文受賞者を決定(報告)

 
 懸賞論文募集は、九州圏における交通・観光事業の発展及び地域社会の活性化に寄与することを目的に、平成25年度から開始し本年度で10年度目となります。
 本年度も大学の先生等の支援、ご協力をいただき、九州内外の5大学から5件の応募がありました。(昨年度応募6件)

 応募のありました論文は、令和4年12月26日に開催しました「懸賞論文審査委員会」において審査を行った結果、以下のとおり、優秀賞2編が決定されました。
なお、本年度は最優秀賞の該当者はありませんでした。

  【優秀賞】
   受 賞 者  下山 美羽、七井 望海、森 華乃子(共同執筆)
   大学等名  和歌山大学 観光学部
   テ − マ  地域鉄道の廃線を食い止めるための施策提案
         〜鉄道事業者の自助努力で改善可能な要素とは〜

   受 賞 者  戸石川 幹太、上田 陽輝、三輪 浩人、林田 有希子、畠山 紀誠(共同執筆)
   大学等名  福岡大学 商学部 
   テ − マ  祭りと地域振興
         −「呼子くんち」復活にみる祭りの役割−

 優秀賞の「地域鉄道の廃線を食い止めるための施策提案」は、丁寧な先行研究の確認、地方鉄道各社に積極的にインタビューする等実践的な検討がされ、その結果を踏まえ域外からの観光客の誘致の必要性など論理的に考えをまとめられています。しかし、その提案には新規性には欠けるため、新たな視点からの提言などが、あればさらによかったと思われます。
 同賞「祭りと地域振興」は、九州北部の「くんち」に焦点をあてた点は面白く、関係者への入念なヒアリングを行い「くんち」の実施状況や「呼子くんち」復活までの状況と課題がよくまとめられた興味深い研究と考えます。全国各地で共通する担い手不足の課題を扱っており、「祭り」をきっかけとする地域振興の提案があればさらに良い論文となったと思われます。
 このような意見が委員会において出されました。

 これらの優秀賞は、後日、当センターホームページ及び九州うんゆジャーナルに論文要旨を掲載することにしております。
なお、受賞者に対して、令和5年2月22日(水)、当センター青柳俊彦会長より表彰状と副賞(優秀賞各5万円)が授与されました。





令和5年 新春講演会開催報告
2023/03/14

                      令和5年新春講演会 開催報告

 (公社)大分県トラック協会との共催による「令和5年新春講演会」を、令和5年2月9日、大分市において開催しましたので、その概要を報告致します。

  〇日  時:令和5年2月9日(木) 13:30 〜 15:30
  〇会  場:レンブラントホテル大分 2階 二豊の間
  〇講  演:第1部 講 師:日本銀行 大分支店長 徳高康弘 氏
        テーマ:最近の金融経済情勢について

        第2部 講 師:国土交通省自動車局 貨物課長 小熊弘明 氏
        テーマ:トラック運送事業の課題と行政の取組
  〇参 加 者:130名(予定100名)
  〇資  料:別添「最近の金融経済情勢について」
         「トラック運送事業の課題と行政の取組」

※講演に先立ち、(公社)大分県トラック協会会長(樺津急行代表取締役社長)の仲浩と当センター講演会
 等実行委員長の大黒伊勢夫が主催者挨拶を行いました。
 次いで、九州運輸局長の吉永隆博様より来賓挨拶を賜りました。

☆講演概要
【第1部: 最近の金融経済情勢について】
・IMFによる世界経済の見通しは各国の様々な施策により成長に転じ、2023年見通しは世界全体で+2.9%、先進国が+1.2%、新興国・途上国で+4.0%、となっている。国・地域別では米+1.4%、ユーロ圏+0.7%、英国−0.6%に比べ、日本は+1.8%で特に高い成長率ではないが他の先進国に比べれば高い数値になっており、2024年には+0.9%の伸びが予測されている。欧米諸国ではインフレに苦しんでおり、ハイピッチでの金利の引き上げを繰り返していたが少し落ち着いてきている。

・日本経済は新型コロナによる落ち込みはあったものの、実施GDPや実質輸出入は順調に伸びている。企業収益も高水準にあり、設備投資や賃金引上げに繋がっていくかが注目されている。設備投資は堅調な状況が見て取れ、個人消費はコロナによる落ち込みから回復しているが、最近では物価高の影響が出てきている。求人倍率は高く人手不足の状況が続いているが、失業率は低くなっている。雇用者所得はプラスになっているが、物価が上がったことにより最近は実質ベースでマイナスが続いており、今年の春闘に注目が集まっている。

・大分県経済はコロナと経済活動の両立が図られており、個人消費の伸びや全国旅行支援、入国制限緩和の政策が功を奏し、観光地もかなり賑わいを取り戻している。これを背景に日本銀行大分支店では昨年11月に景気判断を「持ち直している」に引き上げて、現在これを引き続き維持している。今後の展望では「半導体や部品など供給制約の緩和」「全国旅行支援や入国制限の緩和」がプラス材料として、「海外の経済・物価動向」「ウクライナ情勢や資源価格の動向」「新型コロナの動向」「人手不足」などが懸念材料と考えられることが説明されました。

【第2部:トラック運送事業の課題と行政の取組】
・トラック運送業界は、EC市場の拡大に伴い宅配便取扱個数の急増、他産業に比べ長時間労働、低賃金、人手不足、ドライバーの長時間荷待ちなどの課題を抱えている。さらに令和6年4月1日から働き方改革関連法によりドライバーの時間外労働の上限規制が適用されるなど、トラック運送事業の現状と課題、それを踏まえた行政の対応が説明されました。

・トラック事業者の法令遵守に係る荷主の配慮義務の「荷主対策」では、地方運輸局と適正化実施機関が連携・情報収集し、荷主の違反原因行為への関わりの度合いによって、国交省より荷主に対し「働きかけ」「要請」「勧告・公表」などを行っている。引き続き荷主関係省庁と連携し対策を進めていく。

・令和2年4月の「標準的な運賃」の告示は適正な原価・利潤を確保し、労働時間単価アップなどトライバーの労働条件の改善や車両の減価償却年数を示し、適正な設備投資など持続的な事業を運営するための参考となる指標である。このため制度を理解し、自社で運賃計算し、荷主と交渉し理解してもらうことが大事である。

・働き方改革では、長時間労働是正の環境整備や長時間労働是正のためのインセンティブ・抑止力の強化を進めており、@荷主と運送事業者の協力による取引環境と長時間労働の改善に向けたガイドラインの策定、A物流の効率化に向け関係者の連携・協働を円滑化するための環境整備として、共同化・自動化等の前提となるハード・ソフトの標準化に向け、官民物流標準化懇談会で検討開始、B労務負担の軽減や人手不足の緩和に繋がると考えられる中継輸送の普及促進、C人材確保として女性や若年層の活躍に向けた取組、Dホワイト物流推進運動の推進などが説明されました。

・物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策の中の価格転換では、転換拒否行為に対して独禁法に基づき、緊急調査や企業名公表など政府全体で取り組んでいる。また、今般の燃油高騰対策に関して関係者の理解を求めて動いている。

・持続可能な物流の実現に向けて、着荷主を含む荷主や一般消費者を含め取り組むべき役割を再考し、物流を持続可能なものとするため2022年9月から検討会を開催し、「荷主企業や消費者の意識改革」「物流プロセスの課題の解決」「物流標準化・効率化の推進に向けた環境整備」を検討しており、2023年夏頃に最終取りまとめの予定。

・物流のGX・DXの推進では、2030年度において政府のCO2削減目標は46%となっている。CO2排出量が多いのは自動車で特に貨物は4割となっているが、商用車の電動化促進事業として令和5年度に136億円が予算計上されている。
これらの推進は二酸化炭素排出量の削減にとどまらず、トラックドライバーの働き方改革にもつながる。

・最後に、政府としてしっかり対応して行くので業界の皆様も協力をお願いしたい。と締めくくられました。





令和5年 新春講演会のご案内
2023/02/01

                      令和5年新春講演会のご案内

 この度、(公財)九州運輸振興センタ−と(公社)大分県トラック協会は共催により「令和5年新春講演会」を下記の通り開催いたします。

 「新型コロナウィルス」感染症の影響が続く我が国では、経済環境や企業の経営環境、そして雇用・働き方がこれまで以上に変化していると言われています。
 特に、私たちの経済活動や国民生活に不可欠な社会インフラであるトラック運送業界は、物流環境の変化や業界が抱える人材不足が深刻な状況となっています。その改善のために労働環境の整備、生産性の向上、物流DXに向けた取組みの対応が求められており、2024年4月1日からはトラックドライバーの時間外労働の上限規制が適用されることとなります。さらに、最近では燃料価格高騰といった問題も生じています。

 経営環境に影響する経済状況は令和4年12月内閣府の月例経済報告において、景気は緩やかに持ち直している。先行きについては、ウィズコロナ下で各種政策効果もあり、景気が持ち直していくことが期待されるが、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっている。また、物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響や中国における感染動向に十分注意する必要がある、という経済の基調判断が示されています。

 こうした状況から、国土交通省及び日本銀行大分支店から専門の講師の方をお招きし、その最新の動向をご紹介していただきます。


      〇日 時  令和5年2月9日(木) 13:30 〜 15:30(13:00開場)

      〇会 場  レンブラントホテル大分 2階 二豊の間 
            大分市田室町9−20 TEL 097−545−1040(代)

      〇講 演 第一部 「トラック運送事業の課題と行政の取組」
               講 師  国土交通省自動車局 貨物課 課長 小熊弘明 氏
           第二部 「最近の金融経済情勢について」
               講 師  日本銀行大分支店 支店長 徳高康弘 氏

      〇参 加 料 無料

      〇参加申込 お電話をいただくか、または当センターホームページのお問合せフォームにて、通信
            欄に「新春講演会参加希望」と明記して、会社名・住所・電話番号・参加される方の
            役職名及びお名前を記入の上、令和5年2月3日(金)までにお申込み下さい。


★お問合せ先
  公益財団法人 九州運輸振興センター
  TEL 092-451-0469  FAX 092-451-0474





令和4年度 冷凍コンテナの引渡し式について
2023/02/01

              離島航路で使用する冷凍コンテナを提供しました
              −電源設備のない地域・場所での使用に期待が−


 (公財)九州運輸振興センターは、鹿児島県内の離島航路で使用する冷凍コンテナ9個を製作し、12月16日に鹿児島新港旅客ターミナル(鹿児島市)において引渡し式を行い、離島航路事業者3社へ提供しました。
 日本財団の離島活性化活動と連携した取り組みで、同財団の支援と助成を受けており、当日はセンターの竹永健二郎理事長、離島航路事業者の代表者等、あわせて約30名の関係者が参加しました。

 冷凍コンテナは、離島住民への生鮮食品や冷凍・冷蔵品の安心・安全な輸送の為に不可欠なものとなっており、この取り組みは離島航路の持続的な運営確保を支援することにつながっています。

 引渡式には、中原禎弘国土交通省九州運輸局鹿児島運輸支局長、市山拓朗鹿児島県企画部交通政策課主事を来賓に迎え、竹永理事長から「日本財団の多大な助成により製作したこれらコンテナが離島住民の生活向上に役立てれば幸いです。末永く大切に使ってほしい」などの挨拶に続き、関係航路3社の代表者へ目録が手渡されました。

 引渡しを受けた航路事業者を代表して奄美海運竃{坊隆幸社長から「離島住民の生活に密着した冷凍コンテナの需要は毎年急激に増大している。離島航路に必要不可欠な資機材であり、提供して頂いた(公財)九州運輸振興センターと、これに大きな助成を頂いた日本財団には大変感謝している。」との謝辞がありました。

 引渡し後、ターミナル横に整列した真新しい冷凍コンテナの見学では、電源設備のない地域・場所での使用が可能となるよう今年度試験的に製作した発電機を取り付けた冷凍コンテナ2個への注目が高く、製作メーカーによる機能や利用方法など説明や参加者による運転状態の確認などが行われ、参加者からは「これまで以上に温度管理が容易になる」「活用範囲が広がる」などの意見が聞かれました。





第64回九州運輸コロキアム「離島航路の現状と課題」開催報告
2022/12/9

           第64回九州運輸コロキアム「離島航路の現状と課題」開催報告
             −離島航路の改善は離島住民との合意形成が不可欠−

 令和4年10月24日(月)、福岡市において第64回九州運輸コロキアムを開催しましたので、その概要を報告致します。

  〇 日 時 令和4年10月24日(月) 13:30 〜 15:00
  〇 会 場 オリエンタルホテル福岡 博多ステーション 3階
        福岡市博多区博多駅中央街4-23  TEL 092-461-2091
  〇 講 師 九州産業大学 地域共創学部 地域づくり学科 講師 行 平 真 也 氏
  〇 テ−マ 離島航路の現状と課題
  〇 参加者 92名(会場参加者41名、オンライン参加者51名)
  〇 開催概要
 大黒伊勢夫氏「九州運輸コロキアム等実行委員長」の主催者挨拶及び鈴木史朗氏「九州運輸局長」の来賓挨拶の後、行平真也氏「九州産業大学講師」による講演が行われました。

『講演』
 離島航路は、本州・九州などの本土に附属する島である離島及び、離島と離島を結ぶ手段として全国に291の航路があり、離島住民の移動手段や物資の輸送を支えている。
陸上の多様な交通システムに比べて、離島への移動手段は航空路を除けば「船のみ」で、離島にとって船より大切な交通手段はなく、特に物資の輸送は航空路があっても船によるところが大きく、航路は島の生活に必要不可欠である。
 このため国では「海上運送法」「離島航路整備法」「(旧)国内旅客船公団法」の制定により、離島航路の維持改善に努めてきた歴史がある。特に島民の生活のため航路確保維持は重要となってくる。そのため赤字航路である126航路の離島航路に対し運営費補助として、欠損見込額全体の1/2を補助し、住民の大切な移動手段として国等が支えていることが説明されました。

 次に離島航路の現状として、離島の人口は年々減少傾向にあり、昭和50年は120万人であったが現在は半減しており、2019年4月では全国離島住民が約61万人となり、今は60万人を下回る状況にある。九州でも平成27年に31万人であったが現在30万人を下回っている。
 離島航路は全国で291航路あり、全国の約30%の85航路が九州の航路となっている。またその内、国庫補助航路となっているのは全国126航路、九州では約40%の50航路が国庫補助航路となる中、島民生活を支えている。全国の国庫補助航路推移は横ばいが続くが、九州では最近4航路が補助航路として新たに指定されている。
 補助航路の乗客数の推移は減少傾向であり、津久見市保戸島航路を事例として、島の人口減少は離島航路の乗客減に直結することが紹介されました。離島航路の現状は、深刻な少子高齢化、進学・就学に伴う人口減少による輸送人員の減少によるもので、航路運営事業者や地方公共団体にとって厳しい経営環境であり、航路の維持が困難となっている。しかし代替えの交通手段がなく、航路なしでは島民の生活が出来なくなることから廃止は絶対にできない。また、コロナ前は離島人口の減少分を観光客で補おうと観光振興に力を入れる島も多かったが、コロナ禍においては渡航自粛を呼びかける島も多く、利用者数の減少が著しく、事業者の経営はますます厳しくなっている状況が説明されました。

 個別航路の事例では、北九州市の小倉〜藍島、馬島航路の新型コロナ感染症拡大初期の離島航路の状況として、地域の特徴を生かし観光客の利用が多い航路であったが、観光客への来島の自粛や親族などの帰省の自粛により利用者が4割まで減少した事例が紹介されました。

 また、直近話題となったのは2022年10月に津久見市の保戸島航路が、民営から市営に転換を図った事例である。
 マグロで有名な保戸島だったが、人口減少と相まって高齢化が進み、輸送実績も減少傾向であった。そうした中、2021年5月に経営者の高齢化と船員不足により、航路事業者が撤退を表明したため、2021年7月15日に津久見市は同航路の運航に係る新規事業者の公募を実施したが、応募する事業者がなく津久見市が市営(運航は以前からの会社に委託(2024年9月末まで))として運営することとなった。
 航路運営に際しては、サービス基準の変更を行い、運航回数を「6往復/日」から「3往復/日」に減便、始発地を保戸島港から津久見港に変更した。しかし、2024年10月1日以降の運航体制は未定であることから、存続するために如何していくかが今後の課題であることが説明されました。

 最後に、今後の航路維持のための方策として、観光などによる交流人口の増加への取組み、部分的なデマンド運航の導入、燃料費や修繕費など船舶にかかるコスト削減や船員不足など対応ができる可能性がある小型船舶の導入などが考えられる。しかし、航路によって状況が異なっていることから、これら航路維持のための方策が、どの航路にも適用できるわけではない。例えば、海域や定員によっては既存の船舶を小型船舶に置き換えることが困難な場合もある。さらに船員確保の問題も大きくなっており、多くの離島航路の始発地が離島側にあるため、離島に住まなければいけないという問題もある。
 人口減少・少子高齢化において離島航路は厳しい状況に置かれているが、離島住民にとって欠かすことの出来ない交通手段であり、その維持・確保は最優先事項となっている。今後の航路改善に際しては、離島航路の最大の受益者である離島住民に対する丁寧な説明と合意形成が必要である。と締めくくられました。





令和4年度「バリアフリー講習会in宮崎港」開催のご報告
2022/12/13

             宮崎カーフェリーで乗組員などを対象にバリアフリー講習会を開催

 (公財)九州運輸振興センターでは、日本財団の支援と助成を受け、九州運輸局との共催により12月2日(金) 「バリアフリー講習会in宮崎港」を開催しました。 
 バリアフリー講習会は、宮崎県内の旅客船の乗組員や陸上員を対象としたもので、昨年に続き2回目となり、宮崎港フェリーターミナルと今年10月に新船として投入された「フェリーろっこう」を利用しての開催となりました。

 宮崎県内では今年4月と10月に宮崎〜神戸航路に新船が投入されるなど、海上航路のハード面での整備が進んでおり、来県者の増加が見込まれています。このため、高齢者、障害者等と直接接する機会が多い旅客船乗組員など24名が参加、高齢者や障害者等の困難を自らの問題として認識し、今後の対応に活かすことを目的に講習会に臨みました。

 講習は、座学と実技で実施され、座学ではエコモ財団高橋徹氏から、バリアフリー制度の説明と高齢者・障害者への接遇・介助に当たっての心構えなどの講義が行われました。
 また、障害者の日常等を知ってもらうために、高橋氏とNPO法人障害者自立応援センターYAH!DOみやざきの永山昌彦理事との直接対話方式により、公共交通機関の利用を始め日常の生活などを紹介して頂き、如何に障害者が活動するにあたり困難が多いかなど、生の声を聞くことができました。

 実技では、一般社団法人宮崎県介護福祉士会の指導のもと、車いすのブレーキ操作など使い方の説明を受けた後、2つのグループに分かれ、車いすでのフェリーターミナル窓口受付体験、ターミナルから船舶への通路、エレベーター、タラップを使った移動、さらにフェリー内での移動や船内各部屋の施設を利用する際の障害を体験しました。
 また、NPO法人YAH!DOみやざきの障害のあるメンバーの協力を得て、実際に電動車いすを使い車からの乗り降りなどの体験を行いました。

 参加者からは「声かけが大切だということがわかった」「車椅子の方の目線がわかったのでよかった」「この体験を今後の仕事に生かしていきたい」などの感想が上がり、参加者にとって貴重な機会となりました。







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