当センターにおける懸賞論文募集は、九州圏における交通運輸・観光並びに地域経済や社会の発展等に貢献することを目的に、平成25 年度から開始し令和7年度で13 回目となります。例年同様、大学や関係機関のご支援、ご協力を頂き、九州内外の大学から5編の応募をいただきました。
令和7年12 月22 日に開催しました「第2回懸賞論文審査委員会」において審査を行った結果、以下の通り優秀賞2編を決定しました。
【優秀賞(2編)】
「乗客が重視するレストラン列車の経験価値属性の分析」
〇受賞者:浦野雅都
○大学名:和歌山大学観光学部
○審査委員会からのコメント
国内各地で運行されている観光列車(レストラン列車)について、コンジョイント分析という客観的な手法を用いて、顧客が求める価値属性(非日常性、食事、価格、時間)を定量的に把握しようとした意欲的な研究です。
審査委員会では、既存研究の丁寧なサーベイに基づき、自ら調査手法を選択して論理的に完結させた構成の良さが評価されました。
一方で、実務的な観点からは、分析結果が実際の事業運営に即座に活用できるレベルには至っておらず、統計的な有意性や提案のインパクトに課題は残るものの、今後の観光列車の企画運営にも応用できる貴重なデータを示した優れた論文であると認められました。
「豊肥本線の増客と沿線地域の活性化を目指して」
〇受賞者:津田櫂臣
○大学名:日本文理大学経営経済学部
○審査委員会からのコメント
豊肥本線の維持・活性化について、日常的な移動手段としてだけでなく、非日常的な観光資源としての価値に着目し、多角的な視点からアプローチした論文です。
審査委員会では、独自のアンケート調査を実施して利用実態やニーズを把握し、それに基づき課題を特定していくプロセスが明確であると評価されました。駅前広場の活用やサイクルトレイン、体験型観光の提案など、他社の事例や公的報告書を裏付けとした具体的な施策が盛り込まれている点も特徴です。
問題意識から提案に至るまでの構成が着実であり、地域課題の解決に向けた熱意と客観的な分析のバランスが取れた、優秀賞にふさわしい内容であると選定されました。
これらの優秀賞は、当センター「九州うんゆジャーナルVol.130」に論文要旨を掲載することにしております。また、優秀賞の論文全文は当ホームページ「懸賞論文募集
https://kyushu-transport.or.jp/monograph/」よりご覧いただけます。
なお、受賞者に対して、令和8年2月4日(水)、当センター青柳俊彦会長より表彰状と副賞(優秀賞各5 万円)が授与され、優秀賞に選ばれた論文を執筆した学生2名と、ご指導された教官が出席されました。
【受賞された皆様】
左から津田櫂臣さん、青柳会長、浦野雅都さん