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企業経営基盤強化等セミナー

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ハラスメントの予防と対策 報告
 

日時令和3年10月21日
場所福岡市 オリエンタルホテル福岡 博多ステーション
テーマハラスメントの予防と対策
講師福岡労働局 雇用環境・均等部 指導課 担当官
主催(公財)九州運輸振興センター
(協力団体等 九州地方倉庫業連合会、九州旅客船協会連合会、九州地方海運組合連合会、九州地方港運協会、九州舶用工業会)


                 ハラスメントの予防と対策を開催しました

 (公財)九州運輸振興センターでは、日本財団の支援と助成による「企業経営基盤強化セミナー」を、九州地方倉庫業連合会、九州旅客船協会連合会、九州地方海運組合連合会、九州地方港運協会、九州舶用工業会の協力のもと、令和3年10月21日(木)に福岡市において開催いたしました。

 職場でのハラスメント対策において、セクシュアルハラスメントに関しては平成11年から男女雇用機会均等法により、妊婦・出産・育児休業等に関するハラスメントについては平成29年から男女雇用機会均等法及び育児・介護休業法により、パワーハラスメントに関しては労働施策総合推進法により令和2年から防止対策が義務付けられています。特にパワーハラスメントにおいては、努力義務であった中小企業も令和4年4月1日から義務化となります。

 職場におけるパワーハラスメントは、職場において行われる、@優越的な関係を背景とした言動であって、A業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、B労働者の就業環境が害されたもので、これらの要素を全て満たすものをパワーハラスメントといい、客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については該当しないとの説明がありました。職場や労働者の考え方として、通常就労する場所以外でも、労働者が業務を遂行する場所であれば「職場」であり、勤務時間外の「懇親会の場」社員寮や通勤中などであっても職務の延長上と考えられるものは「職場」に該当する可能性があります。このため職務との関連性、参加者の参加・対応において、強制的か任意かなどの個別な考慮が必要であることや、労働者はパートタイム、契約社員、派遣労働者も対象となることなどが説明されました。

  
 今後、義務化される中小企業の職場においては、ハラスメントの防止のために事業主が必ず講じなければならない措置として4つあげられました。@「事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発」として、職場におけるハラスメントの内容・ハラスメントを行ってはならない旨を明確化し、また、行為者について、厳正に対処する方針・対処の内容を就業規則等の文章に規定し、労働者に周知・啓発すること。A「苦情を含む相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備」として、相談窓口をあらかじめ定め、労働者に周知するとともに、相談窓口担当者が、相談内容や状況に応じて、適切に対応できるようにすること。B「職場におけるハラスメントに係る事後の迅速かつ適切な対応」として、事実関係を迅速かつ正確に確認すること、速やかに被害者に対する配慮のための措置を適正に行うこと、事実関係の確認後、行為者に対する措置を適正に行うとともに、再発防止に向けた措置を講ずること。C「その他併せて講ずべき措置」として、相談者・行為者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講じ、また、相談したこと等を理由として、解雇その他不利益取扱いされない旨を定め、労働者に周知・啓発すること。
これらを、具体的な取組例やハラスメントの事例を交えながら解説されました。

 今回のセミナーは、定員50名のところ、内航事業者、旅客船事業者をはじめ海事関係事業者、運輸関係事業者の方々に広くお申込みいただきました。会場での感染防止対策に支障が出ないことを確認し、67名の申込者全員にご参加いただきました。
 
 ハラスメントの対策として対応するための体制づくりは当然のことながら、ハラスメントに対する事業主の方針を明確に示し、それを管理・監督者を含む労働者に周知・啓発することが重要であることを改めて認識することができる良い機会となりました。参加された各事業者の皆様も今後の対策の参考になったと思われます。





旅客船事業企業経営基盤強化等セミナー 報告
 

日時令和2年8月27日
場所福岡市 オリエンタルホテル福岡 博多ステーション
テーマ講演@ 旅客船事業者のための新型コロナウィルスの感染予防対策
講演A 感染者乗船による消毒対応及び感染予防対策について
講演B 感染予防対策事例(スライドによる紹介)
講演C コロナウィルスに関する事業支援等について
講師講 師@B 九州旅客船協会連合会 専務理事 待 鳥 明 義 氏
講 師A 九州郵船株式会社 安全統括管理者 万 谷 住 雄 氏
講 師C 九州運輸局 海事振興部 離島航路活性化調整官 清 嶋 義 文 氏
主催(公財)九州運輸振興センター、九州運輸局、九州旅客船協会連合会


             新型コロナウィルス感染予防策や現場での対応策検討に向けて
               〜 旅客船事業企業経営基盤強化等セミナーを開催 〜

 (公財)九州運輸振興センターは、日本財団の支援と助成により九州運輸局及び九州旅客船協会連合会との共催により、令和2年8月27日に福岡市で「旅客船事業企業経営基盤強化等セミナー」を開催し、九州各地の旅客船事業者26社など40名が参加しました。

 九州は離島が多く旅客航路は社会インフラとして重要で、新型コロナウィルスの収束が見えない状況のいま、ウィズコロナの時代に即した事業を行う必要から、利用者に安心・安全に航路を利用いただくため、日頃の対策に加え感染者がでた場合にどう対処するかを予め決めておくことが非常に大切であることから、今後の対策の改善に生かしていただくことを目的に開催したものです。

 講演では、「新型コロナウィルス等の感染予防対策ガイドライン」の解説があり、乗客に対し「新たな生活様式」に沿った行動が取りやすいシステムの構築や陸上員・乗組員に対する基本的な健康管理、ウィルスとの接触を避ける対応、緊急時の対応や行動、危機管理教育の説明があり、具体的な対応として、乗船前、乗船中、乗船後など場面に応じた説明があり、最後に事前に関係機関と調整し、対応手順を予め作成し陸上員や乗組員へ周知し、対応者がイメージしておくことが大切であることが説明されました。

 また、取組み事例紹介では、九州で初めて旅客船乗船者に新型コロナウィルスの感染者が下船後に判明した事業者から、その後の乗客への対応、関係機関との調整、船舶消毒などの社内対応が時系列かつ具体的に報告されるとともに、その後の同社の感染予防対策を順次進めていることが紹介されました。

 さらに、今後の各社での対応策検討の参考として、九州内の旅客船事業者から提供された検温、健康チェック、アルコール消毒液の設置、飛沫防止シート、アクリル板の設置、船内消毒、換気、物理的距離の確保状況等や感染予防アナウンス等の具体的な取組み事例を取りまとめたスライドにより紹介され、情報が共有されました。

 最後に、旅客定期航路事業への影響や国の支援メニューなど説明されました。

 今回のセミナーでは、参加後に他社の対応に関する具体的な相談や他社の事例を参考に対策に取り入れたいなどの意見もあり、参加された方々にとっては有意義なセミナーとなったと感じられました。





旅客船事業企業経営基盤強化等セミナー 報告
 

日時令和元年11月12、19日
場所北九州市 旧大連航路上屋 1階 多目的室
テーマ海運分野における新たな飲酒対策について
講師国土交通省 海事局 安全政策課 次席運航労務監理官 前 里 良 人 氏
主催公益財団法人 九州運輸振興センター、関門地区旅客船協会


              旅客船の安全運航  酒気帯びでの航海当直をなくそう!
               〜 旅客船事業企業経営基盤強化等セミナーを開催 〜

 (公財)九州運輸振興センターは、日本財団の支援と助成により、関門地区旅客船協会(会長、小笠原朗・阪九フェリー(株)社長)との共催により、国土交通省海事局安全政策課次席運航労務監理官の前里良人氏を講師にお迎えし、「海事分野における新たな飲酒対策について」をテーマに、北九州市において「旅客船事業企業経営基盤強化等セミナー」を開催致しました。

  今回のセミナーは、交通輸送モードにおける飲酒に係る安全対策強化への関心が高まる中、海事分野でも飲酒に伴う海難事故等が毎年発生していることから、国土交通省に酒気帯び状態での航海当直を防止するための具体的方策についての検討会が設置され、本年8月2日に「とりまとめ報告書」が公表されたことから、船舶運航事業者の飲酒対策への対応や乗組員には飲酒による影響などを解説して頂き、新たな飲酒対策に理解を深め適切に対応することで船舶の安全運航に努めていただく事を目的に開催しました。

  本セミナーでは、報告書を踏まえ具体的な対策として、アルコール検知器を用いた検査体制の導入、業務前の飲酒禁止期間の設定、事業者による飲酒教育の実施、といった「@飲酒管理体制の強化」が図られていくこと、及び、現在、平水区域のみを航行する船舶は船員法に基づく航海当直基準が適用されず、酒気帯びでの当直が禁止されていないため、「A平水区域のみを航行する船舶に対する酒気帯びでの当直を禁止」する措置を、船員法関係法令の改正により令和2年4月1日より施行することで作業が進んでいることが説明されました。

  飲酒管理体制強化の具体的な内容として、「アルコール検知器を用いた検査体制の導入」では、船種により異なるが旅客船では令和2年3月までに安全管理規定に「アルコール検知器を用いた検査体制」を明記し、そのために検査の具体的実施方法等を示した検査要領等を整備すること。また、具体的な検査の方法、アルコール検知器の保守管理、検知器使用時の注意、検査結果の記録・保存などの注意事項が説明されました。

 「航海当直前の飲酒禁止期間の設定」では、乗組員は少なくとも当直業務開始の4時間前を飲酒禁止期間として設定すること。船長は船舶の安全運航の最高責任者であることから4時間より長い飲酒禁止期間の設定が望ましいこと。また、この4時間の期間はどんなに飲酒しても良いというものではなく飲酒量によって酒気帯びになるため、アルコールの基礎知識や飲酒後の体内残存アルコール濃度、アルコールが体内から消える推奨時間などの説明もありました。

  「事業者による飲酒教育の実施」では、各社において運航実態等を踏まえ飲酒教育プログラムを設定し、管理者を含むすべての船員を対象に飲酒教育を実施すること。飲酒教育の内容には、@アルコールの基礎知識、Aアルコールが業務に与える影響、B船舶における不適切な飲酒事案・飲酒関連の事故例、C飲酒に関する基準、Dアルコール検査、等について行うことが説明され、教育の際には、船員の労働環境等への配慮や船内や陸上管理者には飲酒管理等に関する項目も追加する必要があることが説明されました。

  最後に、船舶運航事業者、乗組員にとって船舶の安全運航は最も重要なこと、そのためには飲酒による人への影響など良く理解していただき、酒気帯びでの当直をしないで安全運航に努めて頂きたいと締めくくられました。

  今回のセミナーでは、制度面での体制強化により酒気帯び防止を図る事の説明、さらには管理者や乗組員に対しアルコールの基礎知識を習得していただく良い機会となり、参加された方々にとっては、大変有意義なセミナーとなりました。





旅客船事業企業経営基盤強化等セミナー 報告
 

日時平成30年9月27日
場所福岡市 九州運輸局 7階 海技試験場
テーマ障害者差別解消法 〜合理的配慮への心構え〜
講師熊本学園大学 社会福祉学部 教 授 東  俊 裕 氏
主催(公財)九州運輸振興センター、九州旅客船協会連合会、九州運輸局


         本セミナーを機会に差別解消の理解を深め、障害者への適切な対応を!  
              〜 旅客船事業企業経営基盤強化等セミナーを開催 〜

 (公財)九州運輸振興センターは、日本財団の支援と助成により九州旅客船協会連合会(会長:竹永健二郎・九州郵船(株)社長)及び九州運輸局(局長:下野元也)との共催により、熊本学園大学社会福祉学部 東俊裕氏を講師にお迎えし「障害者差別解消法〜合理的配慮への心構え〜」をテーマに、福岡市において「旅客船事業企業経営基盤強化等セミナー」を開催致しました。

  平成28年4月1日施行された所謂「障害者差別解消法」において、行政機関等及び事業者が障害のある人に対して、正当な理由なく、障害を理由として差別することを禁止しており、また、障害のある人から、社会の中にあるバリアを取り除くために何らかの対応を必要としているとの意思が伝えられたとき、負担が重すぎない範囲で対応することが求められています(「合理的配慮」の提供)。
  このため、当センターと九州旅客船協会連合会の両団体と九州運輸局が連携し、九州地区の旅客船事業者が、同法の趣旨や同事業者に求められている「合理的配慮」への対応、特に同事業者において必要とされる具体的対応方法などについて、同事業者やその従業員等が適切な対応が図れるよう、知識を習得することを目的に本セミナーを開催致しました。

  本セミナーでは、比企九州運輸局海事振興部長の挨拶があった後、東講師から、以下の概要の講演が行われました。
  始めに、障害者差別解消法を理解するため、@障害に基づく差別や合理的配慮とは何か、A障害がある者にとっての社会的障壁とはどういうものか、Bその社会的障壁に対する合理的配慮とは、C社会的障壁が意識されない原因など、基礎的な内容を中心にわかり易く説明されました。 

  次に、旅客船事業者に求められる合理的配慮に関して、これまでに各事業者が障害者から申し出があった具体的対応事例を事前に提出していただき、その対応状況に対して講師からのアドバイスがありました。
  その中では、@同事業者が提供する物理的設備が障害者にとって障害となることに対応することが合理的配慮である。A「介助」と「合理的配慮」は違う。B障害者からの申し出に対応出来ないときには、何故できないかの理由をはっきり説明し一定の理解を得ること。など対応時の留意点などの解説もありました。

  最後に、障害者にとっての障害を少なくすることが、旅客船などの公共交通機関での移動の機会を増やすことになり、それに伴う経済効果はかなり大きいと考えている。交通事業者にとって安全輸送が最優先であり、障害者対応への設備投資などは費用対効果もあり難しいところであるが、安全輸送と輸送人員増加のために何ができるかをしっかり考えて頂きたいと締めくくられました。

  今回のセミナーでは、55名(予定50名)の参加をいただく中、講師より法制度の考え方をわかり易く説明・紹介いただくとともに、具体的対応事例をベースに合理的配慮への心構え等を共有することができ、参加された方々から大変有意義なセミナーとなったとの声を頂きました。





内航海運フォーラムin博多 報告
 

日時平成28年11月25日
場所福岡市 ハイアット・リージェンシー・福岡
テーマ講演1 船腹調整事業、暫定措置事業の歴史と背景
講演2 これまでに提示されたビジョンについて
      @内航海運ビジョン/2001年 国民経済研究協会
      A次世代内航海運ビジョン/2002年 次世代内航海運懇談会
講演3 内航海運ビジョン公表後の取り組みと課題
講師講師1 同志社大学 教授 石 田 信 博 氏
講師2 広島商船高専 教授 永 岩 健一郎 氏
講師3 大阪商業大学 教授 松 尾 俊 彦 氏
テーマパネルデスカッション  暫定措置事業終了後の内航海運のあるべき姿
講師パネリスト
 @宇部興産海運(株)取締役海運本部長 西 村 幸 恩 氏
 A九州地方海運組合連合会 副会長 宗 田 銀 也 氏 
 B大阪商業大学 教授 松 尾 俊 彦 氏
 C神戸大学 准教授 石 黒 一 彦 氏
コーディネーター
  流通科学大学 教授 森  隆 行 氏
主催(公財)九州運輸振興センター、内航海運研究会
後援九州運輸局、日本内航海運組合総連合会、山縣記念財団、海事振興連盟、
海洋立国懇話会、日本海事新聞社


                   暫定措置事業終了後の内航海運のあるべき姿は
                   −内航海運フォーラムin博多を開催しました−

 (公財)九州運輸振興センターは、内航海運研究会(代表:流通科学大学 森隆行教授)との共催による「内航海運フォーラムin博多」を、日本財団の支援と助成を受け、平成28年11月25日(金)に福岡市において開催致しました。

  内航海運は国経済活動と国民生活を支える極めて重要な産業ですが、近年、船舶と船員の2つの高齢化を始めとして様々な課題を抱えその課題解決が重要になっています。
  本フォーラムは、このような課題を踏まえ、内航海運事業者を始め内航海運に関係する方々の事業運営等に活かして頂くことにより、今後の内航海運の健全な発展等に寄与することを目的に、講演(3題)とパネルディスカッションの二部構成で開催致しました。
 
  先ず、講演1(講師:同志社大学 石田信博教授)では「船腹調整事業、暫定措置事業の歴史と背景」をテーマに、内航海運業の事業特性と中小事業者乱立の状況等から、船腹量の適正化と取引条件改善等により内航海運業界の秩序確立等を図るために内航二法(内航海運業法、内航海運組合法)が制定されたことと、これら二法の制度の概要説明が行われました。
  また、内航二法により制度化、開始された船腹調整事業の内容や当該事業の廃止、廃止後に内航海運暫定措置事業が開始されるに至った経緯と同措置事業の内容について説明がありました。その上で、船腹調整事業の評価として、事業者数・船舶数の減少、船舶の大型化が図られたものの、船腹過剰状態は続くとともにスクラップ引き当て権相場は高くなる傾向であったことなどの説明と船腹量の減少については成果が不十分であったとの評価をされました。

  講演2(講師:広島商船高専 永岩健一郎教授)では、「これまでに提示されたビジョンについて」をテーマに、2001年に策定された「内航海運ビジョン」と翌年に策定された「次世代内航海運ビジョン」についてその内容の説明があり、「内航海運ビジョン」では、今後の方向性と経営パターンに触れられているが、現実性、具体性に乏しく理想論ではないのか等の、また、ビジョンの推進方策として上げられていた系列構造から自立型経営構造への転換等7つの方策については、やや包括的で具体的な内容が薄いとの考えを述べられました。
  また、「次世代内航海運ビジョン」では、21世紀型内航海運のあり方として他の輸送モードとの連携等3つの方向性が示されていること、これらを踏まえて、内航海運行政の取り組むべき基本的方向性として、@健全かつ自由な事業活動を促す市場環境の整備、A効率的で安全かつ環境にやさしい輸送サービスの提供となっていることや、具体的な課題とその課題解決のために実施すべき施策の内容を説明されるとともに、これら施策について現在までの取組状況について説明がありました。その上で、テクノスーパーライナーを除き、殆どの施策が粛々と力強く実施されているとの感想が述べられました。

  講演3(講師:大阪商業大学 松尾俊彦教授)では、「内航海運ビジョン公表後の取り組みと課題」をテーマに、「次世代内航海運ビジョン」の基本的方向で示された「健全かつ自由な事業活動を促す市場環境の整備」を取り上げ、その中の「事業区分の廃止や参入基準等」と「安全最小定員、船橋航海当直」を中心に話を進められました。参入基準の緩和(参入基準の変更)については、オペレーター、オーナーの事業区分の廃止の効果(事業能力から結果として荷主との直接契約は出来ないのではないか)等について、また、現在の「荷主−オペ(二次オペ等を含む)−船主」の市場構造を、今後の人口減少の時代にあっては、物流の効率化、安全の確保等の観点から「荷主−3PL事業者−オペ−船舶管理会社−オーナー」の市場構造とすることが望ましいとの私論が紹介されました。

  次に、パネルディスカッション(※)では、「暫定措置事業終了後の内航海運のあるべき姿」をテーマとして、コーディネーターが課題等となっている事項等を提示し、パネリストがこれについて発言するという進行方法でパネルディスカッションが行われました。
  具体的には、「暫定措置事業終了後の内航海運のあるべき姿についての自由な発言」、「今後の内航物流量の予測」、「暫定措置事業後の内航海運業の変化をどう見るか」、「中小オーナーの経営規模拡大、経営規模強化策は」「規制緩和が進んだ時に、海運組合の組合員加入動向はどうなるか」、「暫定措置事業の終了と船員・船舶の高齢化との関係は」、「今後、内航海運のピラミッド構造が変わる可能性は」について、学識経験者、オペレーター、オーナーの立場等から活発なディスカッションが行われました。

  当日は110名の参加者がありましたが、多くの参加者から、制度の仕組み等がわかるとともに今後の対応についての示唆等があったので、大変良かったと声が聞かれました。





物流事業企業経営基盤強化等セミナー 報告
 

日時平成27年12月1日
場所鹿児島市 ホテルウェルビューかごしま
テーマ日本の物流コストの実態と物流KPI導入について
〜製造業・流通業と物流業のパートナーシップ深化のために〜
講師(公社)日本ロジスティクスシステム協会
  JILS総合研究所 所長 佐 藤 修 司 氏
主催(公財)九州運輸振興センター   共催:鹿児島県倉庫協会
後援九州運輸局鹿児島運輸支局 JR九州 鹿児島県冷蔵倉庫協会 鹿児島県旅客船協会
鹿児島内航海運組合 鹿児島港運協会 (公社)鹿児島県トラック協会


                    日本の物流コストの実態と物流KPI導入について
                〜製造業・流通業と物流業のパートナーシップ深化のために〜

                    =物流事業企業経営基盤強化等セミナーを開催=


 (公財)九州運輸振興センターは、日本財団の支援と助成を受けて、12月1日(火)、鹿児島市において、鹿児島県倉庫協会(会長 大津学:(株)大津倉庫社長)との共催により、(公社)日本ロジスティクスシステム協会 JILS総合研究所 所長 佐藤修司氏を講師に招き、「日本の物流コストの実態と物流KPI導入について〜製造業・流通業と物流業のパートナーシップ深化のために〜」をテーマに物流事業企業経営基盤強化等セミナーを開催いたしました。
  当日は、倉庫業、トラック運送業、海運業等の物流事業者をはじめとして70人を超える参加がありました。

  物流は生活物資の流通等国民の生活基盤として、また、我が国の産業活動を支える基盤としても重要な役割を担っていますが、近年、物流産業は、輸送の小ロット化等サービスレベルの上昇や荷主企業のさらなる物流効率化への要請、ドライバー等の人手不足等を受けて厳しい状況におかれています。このような現状を打開するための有効な手段の一つとして、本年7月、国土交通省は、物流事業者自らの経営効率化への取組みや荷主と物流事業者が一体となった健全な物流効率化を図るための「物流事業者におけるKPI導入の手引き」を作成し、その導入・普及促進が図られているところです。
  こうしたことから、今般、当センターと鹿児島県倉庫協会との共催により、「物流KPI」について広く周知と理解を図るために本セミナーを開催いたしました。

  本セミナーでは、佐藤講師から、日本の物流コストの実態や構成比の推移、今後の動向、荷主企業が取り組んでいる物流コスト削減策等について、身近な事例等を紹介しながら説明がありました。
  そして、物流効率化を推進するためには、「物流KPI」による可視化が重要であり有効活用して行くためには、@事業者単独で改善できる問題点を可視化し、改善するための活動の実施、A荷主とのパートナーシップ(連携)して強化・改善できる問題点を可視化し、目的を定めた取り組みの実施、B指標データーを集計・分析し改善に向けた方法を習得し、実践できる人材育成が重要であるとの説明がありました。

  講演は、これまであまり耳慣れない「物流KPI」について、導入の必要性や具体的な取組み等について簡潔に、かつ、わかりやすく説明・紹介いただきましたので、参加された方々には、大変有意義な講演となりました。

 ※「KPI」: Key Performance Indicator(s) (重要業績評価指標)





港湾運送業企業経営基盤強化等セミナー 報告
 

日時平成26年10月20日
場所北九州市 ステーションホテル小倉
テーマ事業継続計画(BCP)等策定促進のために 〜新型インフルエンザBCP作成等〜
講師(一社)日本港運協会 理事 小 島 繁 夫 氏
主催(公財)九州運輸振興センター、九州地方港運協会
後援JR九州


        本セミナーを機会に作成の意義等の理解を深め、更なるBCPの作成推進を!

               〜港湾運送業企業経営基盤強化等セミナーを開催〜


 (公財)九州運輸振興センターは、日本財団の支援と助成により九州地方港運協会(会長 野畑昭彦・門司港運(株)社長)との共催により、(一社)日本港運協会理事の小島繁夫氏を講師にお迎えし、「事業継続計画(BCP)策定促進のために〜新型インフルエンザBCP作成等〜」をテーマに、北九州市において「港湾運送業企業経営基盤強化等セミナー」を開催致しました。

  東日本大震災以降、行政や各業界において、大規模災害発生時などに企業が事業を継続するための計画(BCP:ビジネス・コンティニュイティ・プラン)作成促進のためのガイドラインやマニュアルの策定が行われていますが、(一社)日本港運協会においても、昨年10月に自然災害等に対応した「事業継続計画(BCP)策定支援ツール」を作成し、傘下事業者のBCP作成の推進が図られてきました。これに加え、本年9月には、昨年4月に施行された新型インフルエンザ等対策特別措置法への対応等のために、新型インフルエンザ等対策版BCPが新たに策定されました。
  このため、当センターと九州地方港運協会の両団体が連携し、九州地区の港湾運送業者のBCP作成促進に寄与することを目的に本セミナーを開催致しました。

  本セミナーでは、野畑九州地方港運協会会長の主催者挨拶、田代九州運輸局海事振興部長の来賓挨拶があった後、小島講師から、以下の概要の講演が行われました。
  始めに自然災害対応BCPについては、日港協の本年7月時点の調査では港湾運送業における未策定事業者は九州地区で64%となっている。昨年7月の九州運輸振興センター調査(策定支援ツール策定前)のでは82%となっており、1年で未策定事業者の割合が18%減少している。支援ツールの効果(記入上の注意点等詳細にわたって記載されており、容易に作成することが可能)とも思われるが、まだ、未策定業者が過半数以上であり、本セミナーに参加されている未策定の事業者には、本セミナーを契機に一層作成が進むことを期待しているとしたうえで、最近の国等の地震・津波対策に係る動向、特に南海トラフ大地震の被害想定とこれへの対応等を説明するとともに、港湾事業者が策定するBCPは、各港湾で作成される「港湾BCP」との整合性をとることも重要と説明されました。

  新型インフルエンザ対応型BCPについては、新型インフルエンザ等対策措置法による対象となる「新型インフルエンザ等」とはどのようなものか、また新型インフルエンザが発生した際に接種される「新型インフルエンザワクチン」の種類や効果について説明をした上で、新型インフルエンザが発生した場合に優先的にワクチン接種(特定接種)が受けられることとなる指定公共機関や登録事業者には港湾運送業は含まれていないが、登録事業者と一体的な業務等を行っている場合は外部事業者として、登録事業者の一部等として位置づけられており、特定接種を受けることができる。ただし、登録事業者はBCPの策定が義務付けられていることから、現時点では確定していないものの港湾運送事業者についてもBCPの策定が必要となることが考えられるので、この点からもBCPを作成することが重要であると説明されました。
  なお、自然災害対応BCP策定の重要な要素である被害の想定は、その数値等の設定に難しい点があるが、新型インフルエンザ対応BCPについては、国により「新型インフルエンザ等対策政府行動計画(平成25年6月7日)」に被害想定が示されているので、自然災害対応型BCPに比べ容易に作成できると思われるとのこと。

  最後に、BCP作成の意義とその効果等について@BCPは顧客からの信用、従業員の雇用、地域経済の活力を守る。A事業継続の取組みは日々の経営の延長であり、特別のものではない。経営トップが率先して策定・運用に当たる。B緊急事態はBCPで想定したとおりに発生することはない。C先ずBCPをつくろうと考えること。最初から理想的なBCPを求めない。D港湾全体のBCPなど関係事業者との連携、すりあわせを行うことが望ましい。E海陸物流の結節点としての社会的責務の認識と活動の場が防御ラインより海側にあるという港湾運送業の特殊性を認識しておくこと。F安全配慮義務違反に問われないよう事前の計画立案・従業員での共有・訓練の実施が必要・・・とまとめられました。
  当日は、参加予定50名のところ、80名超の方が参加された盛会かつ有意義なセミナーとなりました。





倉庫業企業経営基盤強化等セミナー 報告
 

日時平成26年7月24日
場所鹿児島市 ホテルウェルビューかごしま
テーマ倉庫業事業継続計画策定促進のために
講師(株)日通総合研究所 教育コンサルティング部 
 シニアコンサルタント 矢 野 裕 之 氏
主催公益財団法人 九州運輸振興センター、鹿児島県倉庫協会
後援JR九州


              BCPはガイドライン等を参考に企業の実情に応じて作成を!

                〜倉庫業企業経営基盤強化等セミナーを開催〜


  (公財)九州運輸振興センターは日本財団の支援と助成により、鹿児島県倉庫協会(会長 大津学 (株)大津倉庫社長)との共催で、(株)日通総合研究所教育コンサルティング部シニアコンサルタントの矢野裕之氏を講師にお迎えし、「倉庫業事業継続計画(BCP)策定促進のために」をテーマに、7月24日(木)鹿児島市において「倉庫業企業経営基盤強化等セミナー」を開催致しました。

  東日本大震災の際に多くの企業の事業活動に多大の影響が生じたことから、近年、地震、台風、豪雨等による大規模災害による企業活動への影響を想定し、予め、防災、減災対策、災害発生時の対応措置などの計画を策定し、企業活動を休止することなく、あるいは早期普及させるなどして事業活動を継続させることが極めて重要になっております。
  このため、国において、大規模災害発生時などに企業が事業を継続するための計画(BCP:ビジネス・コンティニュイティ・プラン)の作成を促進しており、既に、日本物流団体連合会を始め各業界団体等においてガイドラインやマニュアルの作成が行われており、(一社)日本倉庫協会においても昨年4月に「BCP作成の手引き、マニュアル」が作成され、昨年11月、福岡市においてその説明会が開催されたところですが、近い将来、南海トラフ大地震による大規模災害が発生することが予想されており、その影響が大きい南九州においても説明会等の開催の要望が上がっておりました。

  これを受けて、当センターと鹿児島県倉庫協会の両団体が連携し、南九州地区の倉庫業者のBCP作成促進に寄与することを目的に本セミナーを開催致しました。
矢野講師からは、以下の概要の講演が行われました。 

  東日本大震災等を例に挙げ、震災後は想定していないことが多々生じることになるとともに、被災事態への十分な対応ができないことが多いこと、また、大規模災害を原因として、廃業、事業縮小に追い込まれた企業が多いこと。
  このような事態に対応するためには、平時よりその取組みが必要であること、また、その取組みについては社長はじめ社員全員が共通の認識と取組みを行うために「文書」にすることが必要であり、このために事業継続計画(BCP)を策定しその効率効果的な運用を図ることとするものであること、また、BCPは、災害時の事業継続を確かなものとするだけでなく取引先の信用が高まる等、平時における経営改善に繋がるものであることの説明があった後、BCPへの記載事項は、災害対策と事業継続対策に、また、事業継続対策は基本対策(備蓄品目、数量等)と事業資源対策(要員、施設・設備等)、それぞれの対策についてどのような事項が必要かを事項ごとに具体的に、かつ、これまでの被災地等での事例(被災直後は食料と併せ、災害時用自転車の必要性、特に簡易トイレの備蓄の重要性等)をあげて説明されました。

  その上で、BCPは、@社内共有されなければ無意味であるA共有するためには文書にすることが最も有効B文書にまとめることが事業継続への第一歩となると前置きし、BCPの作成に当たっては、倉庫業については昨年日本倉庫協会がモデル(マニュアル等)を作成しているので、また、行政や業界団体において業種別モデルが多く作成されており、これらはインターネット上等で容易にその様式が入手できるので、これらを活用し、企業の規模等その実情に応じた内容で作成することがBCPを有効に活用することができることなると説明されました。
 
  参加者からは、「BCPは重要であるのはわかっていたがその作成は非常難しい」との認識があったのを、本セミナーに参加し「多くのガイドライン等の中から自分の会社にあったものを作成するのであれば、難しくないのではないかと認識を改めた」との声も聞かれました。





物流事業企業経営基盤強化等セミナー 報告
 

日時平成26年2月14日
場所福岡市 ハイアット・リージェンシー・福岡
テーマTOTOの物流革新とこれからの日本の物流革新に期待するところ
講師TOTO(株) 上席執行役員 物流本部長 加 藤 正 行 氏
テーマ(株)キョーワにおける物流効率化につい 〜 事業者から見た物流総合効率化法〜
講師(株)キョーワ 代表取締役社長 城 野 隆 行 氏
         営業推進室    坂 本 信 武 氏
主催国土交通省九州運輸局、公益財団法人 九州運輸振興センター
九州地方倉庫業連合会
後援JR九州


                     物流のさらなる効率化を目指して!

                “先進的な取り組みの紹介するセミナーを開催しました”


 (公財)九州運輸振興センターでは日本財団の助成を受け、九州運輸局及び九州地方倉庫業連合会との共催により、「物流事業企業経営基盤強化等セミナー」を2月14日(金)、福岡市において開催しました。

  総合物流施策大綱では、今後の物流政策が目指すべき方向性として「強い経済の再生と成長を支える物流システムの構築」を目標に掲げ、この目標を達成するための柱の一つとして「産業活動と国民生活を支える効率的な物流の実現に向けた取組」があげられていますが、この「効率的な物流の実現に向けた取組」をより一層推進していくためには、荷主と物流事業者との連携や物流事業のハード・ソフト面の整備・改善が不可欠となっています。
 このため、本セミナーにおいて、現在、物流効率化について先進的な取組みを積極的に推進している荷主企業であるTOTO(株)から上席執行役員物流本部長加藤正行氏を、また、物流事業者である(株)キョーワから代表取締役社長城野隆行氏、同社営業促進室坂本信武氏を講師にお迎えし、それぞれ荷主及び物流事業者の立場からその取組み内容を紹介して頂き、今後の物流のさらなる効率化の推進に寄与することを目的に開催したものです。

  加藤氏は、「TOTOの物流革新とこれからの日本の物流に期待するところ」をテーマに自社製品の総合的な物流効率化を図るために、先ず、究極のリードタイム(LT)の短縮のために行なった@入庫〜出庫まで2日半かかっていたものを1日体制の構築、A出庫、検品、搬送の徹底したムダの排除による生産性の向上、B注文変更締切時間引付と、これに併せ行った最適輸送・配送体制の構築について具体的な取り組み事例を紹介し、また、このような自社の取組み努力と運送事業者の協力によって、九州拠点から東京までのリードタイムが6日から3日に半減されたことなど多くの成果事例が紹介されました。
  その上で、さらなる物流効率化を推進するための大きな課題の一つに、バラバラで統一性がない荷札等の帳票や配車条件の情報伝達方法の標準化があるが、これは個別の事業者での対応には限界があるので、行政や多くの関係者が積極的な取組みを行うことにより課題解決を図ってく必要があると締めくくられました。

  また、城野氏と坂本氏は「(株)キョーワにおける物流効率化について〜事業者から見た物流効率化法〜」をテーマに、同社が同法(物効法)の制度を活用し、整備した物流施設についてどのような効果があったか、また、制度の使い勝手はどうかなどについて紹介がありました。
  その中で、物流施設をインターチェンジ付近に集中させることができたことや固定資産税や金利の面で大きなメリットがあったことなどの成果を示したうえで、制度の活用に当たっては、一般に言われている申請手続きが煩雑であるということやCO2削減の計画が困難である、また開発許可条件が厳しいということについては、いずれも誤解があると説明されました。

  さらに、これまで4回利用している経験を踏まえて、手続き上の注意点・ポイントについて分り易く詳細な説明が行われました。
  最後に、物効法は、企業の物流効率化はもとよりわが国全体の物流効率化に大きく寄与するものであり、積極的に活用すべきであるが、その活用に当たっては、物効法は支援メニューが豊富で使い勝手のよい法制度であることを先ず知ってもらいたいこと、次いで、立地条件さえクリアできれば計画認定は難しくないこと、構想中の物流施設が立地要件をクリアするならばまたとない機会であること、さらに活用に当たっては気軽に九州運輸局に相談することを勧めたいとまとめられました。

  今回は、倉庫業者、トラック業者等の物流事業者をはじめ多くの方々が関心を有するセミナーであったことから、当日70名の参加予定であったものがこれを大きく上回る90名超の参加がありました。





内航海運事業企業経営基盤強化等セミナー 報告
 

日時平成25年5月29日
場所福岡市 福岡合同庁舎 九州運輸局10階 中会議室
テーマ内航海運における船舶管理のあり方について
講師国土交通省 大臣官房 参事官(海事局担当) 清 水 一 郎 氏
テーマ内航海運船舶管理会社設立・運営について
講師(株)Aシップ 代表取締役  牧 田 敬 典 氏
主催公益財団法人 九州運輸振興センター、九州地方海運組合連合会、全国内航タンカー海運組合西部支部

後援国土交通省 九州運輸局、JR九州


               今後の安定的な内航海運の維持に船舶管理会社の活用を

               〜内航海運事業企業経営基盤強化等セミナーを開催〜


 (公財)九州運輸振興センターでは、日本財団の助成により、九州地方内航海運組合連合会(会長 原田勝弘=芙蓉海運(株)社長)と全国内航タンカー海運組合西部支部(支部長 林克基=祝林タンカー(株)社長)との共催による内航海運事業企業経営基盤強化等セミナーを、去る5月29日に福岡市において開催しました。

  近年、内航海運業界では、規制の高度化や安全管理業務の複雑化、船員確保をめぐる将来見通しへの懸念の顕在化などが同時に進行しており、零細な事業者の競争力向上や経営力強化を促進する観点から船舶管理会社の活用を図っていくことが重要な課題とされています。
  この船舶管理会社の設立やその活用促進を図ること等を目的として、昨年7月、国土交通省において「内航海運における船舶管理業務に関するガイドライン」が策定されたところです。

  本セミナーでは、3部に分け、第1部では、国土交通省大臣官房参事官(海事局担当)清水一郎氏に「内航海運における船舶管理のあり方について」と題して、講演頂きました。清水氏は、「中小企業が事業者数の99.6%を占める内航海運が、わが国の経済と国民生活を支える大動脈として極めて重要な役割を担い続けるためには、船舶管理会社の活用促進のための施策を推進することが重要である」として、昨年7月に策定された船舶管理ガイドラインの策定背景や活用のメリットなどについて説明がありました。
 

  第2部では九州・熊本で一昨年船舶管理会社を設立した、(株)Aシップ代表取締役 牧田敬典氏が「内航海運船舶管理会社の設立・運営」についてご講演頂き、内航関係事業者、市議会議員、海事関連業事業者60数者をメンバーとする「熊本マリン同志会」において、内航海運の発展と地域の振興等を検討・研究する中で、数人の有志が集まって設立に至った経緯などを披露されました。

  第3部では清水氏、牧田氏のほかに、熊本マリン・ロジステックス(株)常務取締役 高木育雄氏、(株)シークレスト代表取締役 片山浩一氏が加わり、参加者との意見交換を行ない、1時間にわたる活発な意見交換が行われました。また当初予定していた50名を大幅に上回る80名の参加者があり、いかに船舶管理会社の設立等に大きな関心を持っているかを物語ったセミナーとなりました。







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